1: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:25:18 ID:f5amAPh+0.net
勇者「あれ、仲間って君だけ?なんか情報と違うけど…、まあいいか。
それじゃ早速旅にでましょうか」

女魔法使い「あ、ちょっと待ってください、勇者さん、今装備している武器と防具ってその」

勇者「え、ああ、武器はヒノキの棒で、防具はこれ、お鍋の蓋かな?まあ、初期装備ってことで」

女魔法使い「そ、それじゃレベルは」

勇者「え?当然レベルは1だよ?これから冒険始めるんだから、当たり前…」

女魔法使い「じゃ、じゃあ歳は!?」

勇者「えっと35であと2か月したら36に…」

女魔法使い「おっさんやんっ!」




2: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:25:40 ID:f5amAPh+0.net
女魔法使い「伝説では異世界からくる勇者様は、歳は十代、超イケメンで
はじめからめちゃくちゃ強くて、くっそ強力な武器持ってるって話でしたけど…」

女魔法使い「少なくとも貴方よりちょっと前に来た勇者さんはそんな感じでしたし」

勇者「ああ、僕らよりちょっと若い世代の勇者はそんなかんじかもね。
けど、まあ勇者っていろんなタイプいるからさ…、ってあれ、俺が来るより前に
もほかに勇者来たの…?」

女魔法使い「ええ、超イケメンで強そうなのが。
私の同期の戦士と僧侶と武道家はその勇者と一足先に
旅に出ちゃいましたよ。
はあ…、わたしも最初に来た勇者さんについていけばよかった…まさか次に来る勇者さんが、こんな普通のおっさんとは」

勇者「ええ…、いやひどいな君。
けど、なんで皆と一緒にその若い勇者と旅にでなかったの」

女魔法使い「…、なんかその勇者、自信に満ち溢れてて、女癖悪そうだったからいけ好かなくて」

勇者「君、全方位に口悪いな…、まあいいけど、一応、俺と一緒に魔王討伐のために
パーティ組んでくれるってことでいいんだよね」

女魔法使い「ええ、もう仕方ありませんからあなたについていきますよ…はあ」


4: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:26:07 ID:f5amAPh+0.net
女魔法使い「なにやってんですか、そんなしらみつぶしに村の人に声掛けて」

勇者「こういうのはまず村の人から情報を得て冒険のヒントを得るんだよ。
常識じゃないか…、よし次は」

勇者「すみませーん」がちゃ

女魔法使い「ちょ、ちょっとそこ人んちでしょ、だ、だめですよちょっと!」

村人C「東にある塔に魔法のカギを守ってる魔物がいるそうだよ」

勇者「うん、なるほど。
ありがとうございます。
よっと」ぱりーん

女魔法使い「いや何家のツボ勝手に割ってるんですか!」

勇者「みてみ。
ツボから薬草でてきた。
もらっておこう」

女魔法使い「いやちょっとっ!?」


6: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:27:00 ID:f5amAPh+0.net
魔物達「ぐあああ!!」

魔物のむれを倒した

若勇者(17)「あれ…、俺また何かやっちゃいました?」

女戦士「きゃああ!勇者…、つ、強すぎっ!なに…いまの強力な呪文」

女武道家「い、いまのこの辺りのフィールドじゃ一番強い魔物なのに…、やっぱさすがだわ…」

女僧侶「伝説通りの実力ですぅ…、わたし…勇者さまのこと好きになっちゃいそうです…はうう…ん?」


14: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:28:36 ID:f5amAPh+0.net
勇者「まあ、若くて勢いがあるのはいいことかな。
けど…」

勇者「さしずめ神々からいろいろ特典もらって自信満々な感じだけど、
足元救われなきゃいいけどな。
難なく倒せないから魔王なわけだし」ぼそっ

女魔法使い「え?」

勇者「あ、話し込んでたらもう夕方か、そろそろ村に戻ろうか」

女魔法使い「え、いや、さっきもう一回りこの辺りを歩くかって」

勇者「夜になると魔物の動きが活発化するからね。
ここまでにしておこう。
大丈夫、地道にコツコツ冒険を進めることが大事だよ」

女魔法使い「はあ…」


17: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:29:10 ID:f5amAPh+0.net
勇者と魔法使いの冒険は、地道かつ慎重で、勢いはなかった…
しかし、堅実かつ妙に手慣れた戦略で、少しづつではあるが冒険は軌道にのっていった。

数か月後…とある砂漠の町

宿屋

女魔法使い「勇者さん、言われた通り薬草と毒消し、その他もろもろの道具、買い込んで
おきましたよ」

勇者「ああ、ご苦労さん」

女魔法使い「あとは、村人からも情報収集すみです。
ここから北のほうにダンジョン化した
古い王家の墓があるそうです。
人んち入って、適当にツボやタンスも物色すみです」

勇者「手慣れてるなあ」

女魔法使い「はっ、何言ってんですか、全部あなたに教わったことですよ」


20: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:30:10 ID:f5amAPh+0.net
勇者「ほら、ここの写真に写ってるのが俺の奥さんでこれが息子と娘ね。
下の娘はようやく歩けるようになって…ってあれ?どうしたの?そんな驚いた顔して」

女魔法使い「え!?あ、ああ…、いや…、意外だったから。
てっきり独り者かと…」

勇者「まあ、確かにこんな仕事してほとんど家にいないけどね」

女魔法使い「こんな仕事って…、手慣れてると思ったらやっぱり、冒険歴長いんですね。
そうやっていろいろな世界を渡り歩いて勇者やってるわけですか?」

勇者「うん。
まあ。
魔王討伐に貢献した度合いに応じて神々から報酬がもらえるんだ。
それで生活してる」


26: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:31:20 ID:f5amAPh+0.net
若勇者「レベル一桁のくせにっ、俺に上から目線でモノ言ってんじゃねえっ!
一発ぶん殴ってやるっ!…え!?」

女武道家「そんな、あのおっさん、勇者の攻撃を受け止めたわっ!」

勇者「どうやら努力も怠ってた罰みたいだな。
最初に会った時から、レベルも全然あがってない。
ちなみに俺のレベルはいま50な」

若勇者「なん…だと…!」

勇者「俺なんかに攻撃を受け止められるようじゃ、この先やっていけんだろうし。
それにこのダンジョンの奥にある扉は、別のダンジョンにある鍵を入手しないと開かない仕組みだ。
それもどうせ持ってないだろう」

勇者「悪いこと言わないからダンジョン引き返したほうがいいと思うよ、
ほら、予備で持ってるたいまつやるから」

若勇者「くっ…!」

勇者「神々からの特典まかせでやっていけるのは本当最初だけなんだ。
異世界だろうが現実世界だろうが、人生そんなおいしい話ないから。
必ずどこかの段階で頑張り時が来るってこと、覚えておいたほうがいい」

勇者「わかったら、少しは地道に頑張ってから俺たちに追いついてくるんだな」

若勇者「ち、ちくしょおおっ!!」


31: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:32:08 ID:f5amAPh+0.net
女戦士「勇者、あの…私たち、これからどうすれば」

若勇者「………、戻ろう…」

女武道家「え?」

若勇者「戻ろう。
最初の町に。
それで、周りの人に話を聞きながら、
情報を集めていこう。
すっ飛ばしてきた町や村の困ってる人を助けながら」

女遊び人「え、ええ何それぇ!?そんなのやだよ、勇者ちゃんが無双するっていうから
、後ろついてくだけでいいっていうから、パーティに入ったのにっ!」

女盗賊「わたしもそうよ。
なんで今さら、戻るのよっ、意味わかんないっ!
それだったら、私、パーティ抜けるわ」

女商人「わたしもっ!」

若勇者「ごめん…。
けど、それでも、俺の方針は変わらない」

若勇者「うまい話しなんかなかった…、悔しいけど、おっさんの言うとおりだ。
地道に、やっていこう…」

女戦士・女僧侶・女武道家「勇者…」


35: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:32:55 ID:f5amAPh+0.net
勇者(レベル52)「ハーレム目的で連れてた仲間が何人かいなくなってまあ…、
ちゃんと冒険者らしくなったね。
で、どうする?」

若勇者(レベル71)「魔王を倒すのは俺たちの役目だっ!あんたは後ろで指をくわえてみてろっ!」

勇者「うん、じゃ、そうしようかな」

若勇者「はは、ここへきて怖気づいたか!よし、みんな行こうっ!」

女戦士(レベル44)「ええっ!」

女武道家(レベル36)「汚いおっさん!そこで私たちの戦いぶりをみてな!」

女僧侶(レベル40)「魔王倒したらあんたの番だからねっ!」

女魔法使い(レベル58)「え?いいんですか?魔王討伐の手柄、奪われちゃいますよ」ひそひそ

勇者「うん、正直レベル50そこらの俺ら二人で魔王倒せるほど甘くないと思うし。
彼らに先に魔王と戦ってもらって、HP削ったところでスキをついて魔王倒す策に変更しよう」ひそひそ

女魔法使い「うわあ…」


40: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:35:13 ID:f5amAPh+0.net
………

若勇者「…」

女僧侶「ぐす…だめだわ…、もう回復魔法じゃ目を覚ましてくれない)」

女魔法使い「…魔王の言う通り、相変わらず小癪な戦いする人ですね。
ええっと、それじゃさっそく世界樹の葉をすりおろして…と」

女戦士「ね、ねえ、あのおっさん大丈夫なの?」

女僧侶「魔王相手じゃ、時間稼ぎにもならないんじゃあ…」

女武道家「や、やっぱ私たちも戦ったほうが…おっさんが氏んじゃう」

女魔法使い「大丈夫ですよ。
ていうかですね、あんましおっさんおっさんいって、舐めないでください」

女魔法使い「あの人、私たちより、知識も経験も判断力も上ですし。
魔王相手だろうが、この人を蘇生する間くらいは時間を稼いでくれますよ」

女魔法使い「なんだかんだあの人も、勇者なんですから」


44: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:36:10 ID:f5amAPh+0.net
女神「若い勇者よ、よく魔王討伐という苦難を乗り越え、使命を果たしてくれました。
初めての冒険というのに素晴らしいことです」

若勇者「え?いやけど…、魔王を倒せたのは俺だけの力じゃあ…、パーティの支えがあってのことだし。
それに、そこにいるおじさんが…」

女神「いえ、そんなおっさんは、関係ありません。
ところで、知ってましたか?実は、魔王軍の手によって侵略の
危機に瀕してる世界は、この世界以外にもごまんとあるのです」

若勇者「え?」

女神「実はわたしは、そんな世界を救うため、様々な勇者を派遣する女神。
あなたをこのまま
元の世界に返すこともできますが、初めての冒険でここまでのことがやれたのです」

女神「どうでしょうか?このまま、あたらしい世界へ冒険に旅立ってみたいと思いませんか?
あなたは今や一流の勇者。
より多くの人々を救うことができる力を兼ねそろえているはずです」

若勇者「俺が…、一流の勇者…?」


47: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:36:52 ID:f5amAPh+0.net
女神「…しかし、アンタもずいぶん丸くなったわね。
若い子に魔王討伐ゆずってサポートに徹するなんて。
あれ、はじめからそのつもりだったでしょ?」

勇者「もう、歳にはかなわないんだよ。
並みの魔王なら今でもなんとかなるけど、今回のくらいは
正直だめだわ、…あの若いのみたいに冒険前に特典くれたら、俺ももうちょい頑張れるとおもうけど」

女神「あー無理無理。
あんたペナルティあるじゃん。
まあ、その歳で今回くらいやれるなら、別にそこ拘らなくてよくない?」

勇者「いや、そりゃないでしょうが…もうそろそろ許してくれても…」

女魔法使い「え、ええっとあの…、ちょっといいですか?
二人はその…知り合いなんですか?」

勇者「ああ、俺がこんな仕事してるのはこの女神のせいだよ。
若いころブラブラしてた時、急に異世界に飛ばされてさ…なし崩し的にこの仕事を…
あーあ、あの若いの。
もっと本気で止めるべきだったわ…可哀そうに」

女神「あらあら、かわいい魔法使いちゃん。
こんなおっさんと二人で冒険なんて辛かったでしょ?
大丈夫?変なことされなかった?」

女神「気を付けてね、このおっさん。
初めての冒険で、魔王にさらわれた姫さんに惚れちゃって、
魔王倒した後、助けた姫さんをそのまま元の世界に連れてきちゃった前罪あるからね」

勇者「ちょっ…!おいやめろっ!」


51: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:38:27 ID:f5amAPh+0.net
女魔法使い「はじめまして、勇者さんの奥さんですね。
わたし、異世界のほうで
勇者さんとずっと二人で、魔王討伐の冒険してた魔法使いのものです。
ずっと二人で」

女魔法使い「それで勇者さん…、私にはホントに助られたって、言ってくれて…ですね?
私ならこれからも勇者さんの冒険のお役に立てるかとおもって…、ついてきちゃった…ていうかぁ…」

勇者「な、……ばっ…」

奥さん「ふうん…へえ」

奥さん「どうやら満喫してたみたですねえ…あなた。
そして、またですか。
あなた」

勇者「やっ…ち、違っ…、こ、これはお前の時と違って…、この子が勝手に…っ!」

息子「ぱぱー、だれ、その女の子ー?」

娘「うわきだー?」

勇者「!?」

奥さん「帰ろうか、二人とも。
パパをおいて、おうちに」にっこり

勇者「いや、ちょ、ちょっとまって、いやまじめに働いてたから、ちょ、違うっ、誤解だから、ちょ、おいっ!
ちょ、うそっ!あ、あれえええ!?」

………


54: それでも動く名無し 2026/04/25(土) 21:38:54 ID:f5amAPh+0.net
勇者「しかし、もの好きな子だな…、こんな枯れたおっさんからこれ以上何を学ぶ気なのか」

女魔法使い「何言ってんですか、学ぶことなんていっぱいありますよ勇者さんの狡猾さはどんどん磨きがかかってますからっ!」

勇者「褒められてない…」

女魔法使い「それに…、ふふ」

女魔法使い「異世界なら、ずっと二人きりだし…えへへ」

勇者「(なにニヤニヤしてなにたくらんでるんだか…)」

勇者「、ん-、ま、いいか。
それじゃ、異世界行く前の準備とか、ぼちぼちミーティングはじめようか」

女魔法使い「はいっ!」

おしまい


https://shikutoku.me/

今一番注目されている記事(・ω<)